筆者好みの「薄斑」木地。
筆者は駒に限らず、棋具全般「使用して楽しむ事」に重きを置いている。
特に、駒の使用に伴う「斑」が浮き出てくる味わいを楽しめるのは、
所有者だけに与えられた特権であり、なんとも言えないタマラナイ魅力がある。
当然ながら「彫り」や「盛上げ」の文字(漆)にも、また違った「用の美」があるが、
何より「自分で育て上げた」という充実感が、更なる愛着を生むのである。
駒は全部で十数組所有しているが、その時の気分や環境によって使い分けている。
若干の使用の偏りはあるものの、個人的には、使用しながら楽しむのには、
実際、このくらいの数が限界であると感じている。
これまで、長年にわたり平箱に仕舞われたままの駒を幾度となく拝見してきたが、
湿気によるカビやシミに侵された駒を見ると、なんとも悲しい気持ちになってしまう。
所有、数十組以上にも及ぶコレクターの方々には、十分なる管理を祈願したい。
写真のような駒木地は、筆者にとってはまさしく「原石」である。
果たして5年10年後には、どんな美しい表情を魅せてくれるのだろうか?
[2回]
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