筆者は“キレイ好き”である。
先般の棋具はもちろん、自宅や庭、車の中まで、比較的キレイに整頓しているつもりである。
かと言って、何も“潔癖症”を自覚するものではない。
「小キレイ、小ザッパリ」を信条とするもので、単にモノを出しっ放しにしないという事だ。
「心身一如」という言葉のとおり、日頃から身辺をスッキリしておく事で、生活環境も整うものである。
その整理整頓の基本は、何と言ってもモノを捨てると言う事。
「そのうち使うかもしれない」なんて感情はタブー、「永久に使わない」と割り切る気持ちが大切。
「また買えばよい」という強い決断が肝心で、経験的にそんな事態に遭遇する事はごく稀である。
そんな筆者は、最近
「もたない男」という本に出会う。
凄まじいまでの“モノを捨てたい”欲求、「断捨離」の世界。
自宅には異常と言えるほどモノが無く、まるで空き家かと思い違えるほどの生活環境。
その究極なまでの「断捨離」の世界を描いた、衝撃的なエッセイである。
思い返すに、筆者宅はキレイに整頓はされているものの、非常に“モノ”が多い事に気付く。
単純で、何事にも感銘を受けやすい筆者は、早速この「断捨離」の世界へと実践に入るのである。
とは言え、テレビや洗濯機・冷蔵庫など、一般的な生活必需品まで捨てる訳にはいかない。
いかに感銘を受けようと、これほどまで「モノをもたない世界」は決して真似出来るものではない。
結局、ゴミ袋にして7~8袋くらいのモノを捨てたが、捨てるが為に購入が必要になったモノもあり、
家具などの大物はどうしても残ってしまう為、あまり片付いた気がしない。
筆者宅を占める大きなモノと言えば、やはり棋具(将棋関係の書籍・飾物も含む)である。
これが無ければ、ハッキリ言って一部屋は空いてしまうだろう。
ところが、この愛着ある相棒たちを、それそうと簡単に処分してしまう訳にもいかない。
いつの日か、また生活環境が変わる日が来るかもしれない。
それまで、どうか筆者と共に将棋人生を歩んでいって頂きたい。
そして、筆者は今日も盤上に駒を舞わせるのである。
[7回]
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