前回の記事について、いくつかのお問い合わせを頂いたので、補足致します。
まず、筆者はプロではありませんので、依頼されてもお引き受け出来ません。
また、大前提として、専門職以外の面取り作業はお勧めしません。
特に、実用をされない単なるコレクターの方は、尚更しない方が賢明でしょう。
筆者の場合は、自身で指し込み、言葉は荒いですが“使い潰す”意識で駒を所有しています。
もちろん、それは「道場駒」のような過酷な環境ではなく、あくまでも個人レベルでの愛用です。
さらに、駒の指し方も十人多様で、盤に駒頭から落とす人もいれば、駒尻から叩き付ける人もいます。
ちなみに筆者は、前者タイプです。
基本的に“面”は、日頃の「乾拭き」の手入れで徐々にとれていくものと筆者は考えています。
それでも、筆者がやむなく面取りを施すのは、布盤や榧盤での指し心地に違和感を覚えた時であり、
「面」といっても「カド」を落とす感じで、これまで3~4組ほどしか実施していません。
そのやり方については、言葉での説明は難しいですが、あくまでも個人手法として述べておきます。
基本的にごく軽い面取りなので、一般的な面取り方法とは違い、双方を手に持つ作業です。
まず、#600くらいのペーパーをペンシルくらいの細さに丸めます。
そして右利きの場合、左手に駒を持ち、右手に持った筒状のペーパーを数回要所に当てます。
そのイメージは、まるでペン先を立てた状態での鉛筆削りのようとでも言いましょうか、
駒の持ち方やペーパーの滑らせ方、力加減は感覚の世界で、なんとも言葉での説明が難しいところ。
また、場合によっては、双方を逆に持って施す事もあります。
筆者が初めて面取りをした時は、ある駒師の作品を見ながら作業しました。
そして仕上げは、(その面取り部分を意識して)若干強めの乾拭きで完了です。
復唱になりますが、基本的に駒は、乾拭きの手入れで徐々に面が取れていくものです。
だからと言って、乾拭きの際に面やカドを強く押し付けてはいけません。
「面が取れる」と「面が潰れる」は別物と心得ましょう。
「飴色の駒」と同様に、焦らず急かず、長い期間を費やしてやる事が肝要です。
以上、筆者の「決して真似してはいけない駒講座」でした(笑)
[9回]
PR