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「名盤探訪記」3




写真は、外された「盤脚」

実は、この脚のホゾには「接着剤」の塊が付着していたのである。

一般に「マズイ」とされている盤脚には、その精巧な寸法合わせが難しい為か、
ホゾ穴に「詰め物」をして大きさを調整しているものなども見受けられるが、
稀に、このような「接着剤」による接合脚も存在するのである。

それにしても、これほどの「名盤」なのに、周辺の造りはなんともお粗末ではないか!

「盤脚」の取付けは、言わば「指物」の技術である。

「指物」とは、クギや接着剤などを一切使用せず、
その精巧な組み木だけで材を接合させる、大変に高等な技術だ。

かと言って、その技術を応用し、ホゾ自体を「末広がり」の形状に造り、
脚を外す事が出来ないようにしている盤もあるが、これもタブーである。

確かに「盤脚」は頻繁に外すようなところではない。

だからと言って、脚を全く外す事が出来ないような造りであったり、
見えないところだと「詰め物」をしているような造りでは、いかにも興ざめである。

筆者は以前、正しい「ホゾ」の在り方を以下のように習った事がある。

「ホゾ」や「ホゾ穴」は真っ直ぐに彫り、お互いをしっかりと密着させる事。
その時、「ホゾ」の幅は「ホゾ穴」に対して若干狭くし、微量な隙間をもたせておく。
そうする事で、脚を外す時の左右方向への「コネリ」を可能にしているのだと言う。

それは決して「揮毫」の為ではなく、万一の「修理」の為には必要な事であるし、
イザと言う時に盤脚が外せる造りが成されている盤は、職人の正しき配慮だと思う。

ただし、その「コネリ」には細心の注意も必要。
盤裏を脚の剣先でキズ付けないように、その微量な力加減が難しい。

もしかしたら「オオイレ」とは、この為にあるのだろうか?
と言う事で、次回は「オオイレ」について。

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「名盤探訪記」2



写真は盤の現状の状態。

木味の大変素晴らしい、相当な極上盤である事がお分かり頂けるだろう。

しかし、白く硬化した「ロウ」のムラは、もはや乾拭きだけでは除去出来ず、
木口下部には水濡れによる「シラタ」のようなシミも見られる。
盤脚も、ご覧の通りホコリで真っ白である。



さらには、不均等なロウ引きから塊になった部分がひび割れ、
剥がれた「ロウ」の下から木肌が覗いているという、なんとも悲惨な状態だ。

筆者がこの盤に出会ったのは、まさしく「縁」である。

まあ「職人登場」といっても、特に専門的な作業をする訳ではないが、
一応、本職の方からの指導を受けた初歩的な盤師の技術ではある。

初めは揮毫の保護も含め、簡易的に本体の「ロウ引き直し」のみを行う予定だったが、
折角の「名盤」であるのと、持ち前の筆者の凝り性?もあって盤脚も外す事になった。

しかし、ソコでも新事実が判明!

次回は「盤脚」における職人の思想の違いについて。

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「名盤探訪記」1

先日、ご縁あってある「名盤」を拝見させて頂いた。

それはそれは大変に素晴らしい盤で、一目で「日向モノ」とわかる極上盤である。

それもそのハズ、過去には某タイトル戦への登場歴もあり、
盤裏には、しっかり対局者などの揮毫もしたためられていた。
駒は天童の巨匠・伊藤久徳師の「水無瀬」である。

その後、光栄にもナント!その盤・駒にて将棋まで指させて頂く。
まったく筆者には贅沢すぎて、なんともモッタイナイ話である(笑)

しかし、残念ながらその盤にはいくつかの問題点も散見された。

まず、揮毫された盤裏には「ロウ」による保護処理が成されてなく、
経年の保管環境などにより、墨字が幾分カスレてしまっている。

さらには、木口面などの「ロウ」が硬化し、ヒビワレが発生。
「ロウ」にはムラもあり、盤面の「ロウ」はよく拭き取られていない様子。
多少深めの指しキズなども若干気になるところだが、これはもはや仕方がない。

また、ホコリが積もった盤脚も含め、水分などの付着によるシミや斑点など、
なんとも個人的には「ホットケナイ」部分が多数見受けられた。

そこで、将棋を指させて頂いた御礼の意も含めて、
職人モドキ?である筆者が、後日「補修」をさせて頂く事になった。

さあ、久しぶりに筆者による「職人登場」である(笑)
この模様は、また次回。


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「心身一如」

第81期棋聖戦五番勝負が開幕。

「81」とは、なんとも将棋と相性の良い数字である。
この「メモリアル」的な棋戦にて、羽生名人がタイトル獲得記録を伸ばすのか?
あるいは久保王将・棋王に次ぐ、深浦二冠王が誕生する事になるのか?

緒戦は羽生棋聖の完勝だったが、勝負はまだこれからである。

夏の「王位戦」では、ダブルタイトルマッチの可能性も残されているので、
併せて「十二番勝負」もまた、大いなる見どころと言えよう。

ところで、世間では「iPad」が大賑わいである。

ネットやメールはもちろん、電子ブックで本も読めると言う。
アプリも豊富で、将棋もタッチパネルで楽しめるとの事。
いやはや文明の進化とは、全く目まぐるしいものである。

しかし、古いアナログ体質である筆者は、あまり魅力的には感じていない。

筆者もよく本を読むが、外出時など文庫本をポケットなどに忍ばせて、
スグに広げてパッと素早く読み始められる手軽さには敵わない。
電池やバッテリーも不要で、その環境において如何様にもカタチを変えられ、
眠たくなったら、アイマスク代わりになる便利さも忘れてはならない(笑)

将棋でも、以前の記事で述べたが、実際に盤上に「指す」感触こそが魅力である。
駒の重さも味わえずに、重厚なる1手を指せるほど筆者の棋力は高くない(笑)
ちなみに筆者の駒を見る基準は、その駒で「将棋を指したくなる」かどうかである。

「心身一如」

盤の芳香や駒の質感を身体で感じると、棋士は自然と盤前に正座する。
その盤上にこそ、歴史に残る名棋譜は刻まれていくのではないだろうか。

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「黒い交際」

大相撲界に新たなる激震!!!
相変わらずショーモナイ?不祥事ばかりで、まったく呆れるばかりである。

「部屋の閉鎖」という、前例の無い非常に厳しい処分が下されたが、
一番の被害者は、将来を夢見て角界に入門して来た部屋の弟子達ではないか。

今更だが、初期の朝青龍のサッカー問題(サボタージュ)など、
今回の問題に比べたら、カワイイもの?だったのではないかと感じてしまう。

確かに、大相撲界は完全なる「男社会」であり、
あるいは、そのような環境を招き入れやすい組織と言えるかも知れない。
実際、筆者も本場所の観戦に行った際、「黒い交際」と思わしき?
「ソレ」風の人物と、関係者との談笑シーンを目撃した事もある。

いずれにしても、次から次へと問題の絶えない、ナントモ困った業界である。

ところで、将棋界に「黒い交際」は存在するのだろうか?

昔の「真剣将棋」など、いかにもアウトロー的な世界を彷彿とさせるものもあったが、
現代では、純然たる日本文化のイメージの方が強く、まず考え難いように思う。

実際、タイトル戦など対局室に、それらしき人物が同席している姿を想像すると、
なんとも滑稽に感じてしまうくらい、現代では清楚なイメージが定着したものである。

『盤の前に座り、「ピン!」と背筋を伸ばして胸を張り、
自らの強い意思で決断した一手を、果敢たる勇気で盤上に指す魅力!』

男なら、惚れてしまいそうなその世界に、
近い将来、「黒い交際」は忍び寄って来るかもしれない(笑)

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【管理人】
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【趣味】
将棋全般・カメラ・書道

【自己紹介】
将棋盤・駒・棋具に精通?
几帳面な性格?のO型。
愛機はD300(Nikon)


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