ご覧の通り、見事に甦った「名盤」
磨き直された盤脚も含め、落ち着いた「ロウ」独特の仕上がりとなっている。
ちなみに、盤の仕上げに用いられる「白ロウ」はいくつかの種類もあるようで、
ある地方では、まるで「ウレタン」のような光沢仕上げが成されている盤もある。
まあ、個人の好みにもよるが、筆者はあまりテカテカした鏡面仕上げよりも、
このような木味を殺さない「ニブイ」光沢の方が好みである。
「ロウ」は後々、白く粉をふく事があるが、
通常の手入れは「撫でる」ような感覚の拭き取りだけで良い。
ただし、盤面については、まだ対局に使用する前までなら上記方法で良いが、
「デビュー」に際しては、しっかりとロウを拭き取られる事をオススメしたい。
ロウが残ったままの盤面では駒の滑りも悪く、何より駒自体をも汚してしまう。
また、指しキズが入った後に乾拭きすると、残ったロウがキズに入り込んでしまい、
拭き取っても取れないような跡になって残ってしまう事にもなる。
かと言って、それをドライヤーなどで溶かして除去しようものなら、
溶けたロウがキズから浸透し、ますます状況は悪化。
ついには本職の盤師の元へ「ご入院」という事になってしまうので、くれぐれもご注意を。
一度焼き込みされた「ロウ」は、かなり強く磨いても完全に除去される事はない。
「盤面にはワザとロウ引きしない」なんて話も聞いた事があるくらいである。
まあ、全くロウ引きしないのはともかくとして、
盤面は、それくらいしっかりとした「ロウ」の拭き取りが肝要だと筆者は考えている。
ところで、この「銘盤」の揮毫部分は、残念ながら今回は割愛させて頂くが、
代わりに、特別に許可を頂いた「永世名人」2名による掛け軸を掲載。
そこで、あたかも「対局室」のような雰囲気を再現させてみた。
この甦った盤なら、今後のプロ棋戦などに登場しても、まったく遜色ないハズである。
まあ、筆者が製作した盤ではないが、「手直し」をさせて頂けただけ愛着も一塩だ。
いつの日か、再び「タイトル戦」などに登場される事を心から祈念したい。
プロ棋士の先生方、機会がございましたら、何卒よろしくお願いいたします!(笑)
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