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「名盤探訪記」盤(番)外編

激動の中、大相撲名古屋場所が開幕した。

TVやラジオ中継まで控えられ、ファンとしてはなんとも味気ない本場所である。
仕方が無いので「ダイジェスト版」を視聴してはいるが、全く面白くない。

本日、横綱白鵬が37連勝を達成したが、果たしてこの記録を伸ばす事が起爆剤となるのか?
やっぱり「あの人」がいた方が、大相撲は面白かったなぁ。。。

そんな大相撲界を片目に、筆者は現在、将棋界の動向に興味深々である。

王位戦での広瀬挑戦者の健闘や、竜王戦での羽生名人の永世七冠再挑戦の行方など、
決着するまで目が話せない好勝負が目白押しだ。

特に、広瀬六段の新感覚の穴熊は面白い。

終盤前の比較的早い段階で、まるで後の展開を読み切ったかのような踏み込みは、
観戦者をも「あっ」と驚愕させる切れ味である。

不甲斐ない大相撲界に代わって、今後の将棋界には大いなる盛り上がりを期待したい。





ところで、写真は先般の第六十八期名人戦決着局に使用された将棋盤。
今回、所有者の特別な許可を得て撮影させて頂いた。

ご覧の通り盤裏には、対局者を含めて5名もの棋士の揮毫が成されている。

これは、余程の関係者筋のコネか、盤に対する魅力がない限り有り得ない境遇であろう。

盤脚の造りも、技術的にも手を凝らせた美しい「盛り上がり型」である。



ただ、写真では、盤木口に「ロウ」が目立って白く写り込んでしまっている。
これは、所有者の方が固形のロウを保護目的で擦り込んだ為である。

個人的にはあまり好ましくは感じないが、特に盤にダメージを与えるものでもないので、
まあ、このあたりは、所有者各々の管理方法と言えるだろうか。

激戦の舞台を終えたこの名盤は、所有者の手によって大切に管理されながら、
次なる登場の機会まで、静かに眠りにつく事だろう。

「家宝(果報)は寝て待て」とは、よく言ったものである(笑)

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