写真は当該盤の「ヘソ」
彫りもなかなか丁寧で、深さもあり、筆者好みの雰囲気である。
中央の先端部は平面造り。
筆者は尖った造りが好みだが、ある地方ではこのタイプも多いようだ。
盤裏は、揮毫の為に鉋がけしたままの状態なので、ヘソ部のみロウが残っている。
ヘソ部のロウは、初め全体に施されていたが、木口のみを再ロウ引き作業にて処理完了。
盤裏には、ご覧の通り「アタリキズ」も見受けられる。
通常、このままロウ施工すると、キズからロウが浸透してしまい、
仕上がり的にも良くないとされるが、これももはや仕方の無いところ。
同じ理屈で、指しキズが入った状態の盤面にも、ロウ引きはご法度である。
揮毫部分は、通常の作業とは異なり、ロウを「引いて」はいけない。
揮毫を傷つけないように、上から「ポン、ポン」と軽く押さえるようにするのが定跡である。
磨き終えた「盤脚」も差込み、平坦な場所にて盤全体のガタつき具合もチェック。
側面四方への再ロウ引きも完了し、ついに職人は「御役御免」である。
次回、いよいよ甦った「名盤」を掲載!
はたして、その鑑定や如何に?
[5回]
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