当該盤の脚は「オオイレ」式である。
この「オオイレ」式こそ高級盤の証であると言う説もあるようだが、
盤脚を、盤裏に隙間なくキッチリと密着させる技術は中々容易ではない。
その為「オオイレは誤魔化し」と評する職人もいるようだ。
元々、建築用語である「大入れ(オオイレ)」は、床柱などを接合させる上で、
接合面の見た目をキレイに見せる為の、言わば「逃げ技法」である。
実際、上記「オオイレ」の写真には、前回の盤脚の接着剤が流れた跡も残っている。
もしそれが、このような接着剤を隠す為の「オオイレ」だとするならば、
「誤魔化し」と言うのも、あながちウソではないようにも思えてくる。
たしかに「脚」を外す時には、キズを気にせず便利?な面もあるかもしれない。
その真意は定かではないが、いずれにしても筆者はあまり興味に感じていない。
まあ、最終的には職人の志向や、個人の好み次第と言ったところだろうか。
ところで当該盤の脚には、小さなアタリ傷も多数散見された。
本来ならペーパーで研ぎ出しまで行いたかったところだが、
時間の都合もあり、それはあえて割愛させて頂く。
ホコリと汚れを丁寧に除去し、再度のロウ引きにて終了である。
脚や盤本体の古いロウ落としには「ドライヤー」を使用。
先に紹介した、ロウの「ヒビ割れ」もキレイに除去され、
いよいよ盤本体の再ロウ引き作業開始!
まずは盤裏の「揮毫」部分から。
このショーモナイ?連載も、そろそろクライマックスです。
どうぞ、最後までお付き合い下さい(笑)
[10回]
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