大激戦、ついに終止符!
第52期王位戦七番勝負最終局は、116手で羽生二冠が勝利し、5年振りに「王位」に復位!
同時に、歴史的な大偉人・大山康晴十五世名人に並ぶ、通算80期のタイトル獲得を達成された。
“新勢力”の活躍が目覚しい昨今の将棋界において、これは大変に興味ある結果である。
さらに広瀬王位の伝家の宝刀「四間穴熊」の撃破とあっては、その印象も一際大きなものと言えよう。
昨今の将棋界の新勢力筆頭と言えば「渡辺竜王」だが、広瀬王位は今やその竜王に次ぐ存在である。
その広瀬王位に羽生二冠が挑んだ今回の王位戦は、また違った意味での“新旧対決”を思わせる注目のカードだった。
正直、開幕前の筆者の予想は「広瀬王位防衛」だった。
これは、最近巷で話題になっているような「羽生二冠衰退説」という意味ではなく、
単純に「今の広瀬王位を倒せるのは渡辺竜王くらいではないか?」と感じていたからである。
「今回のシリーズで、これまでの(自分の)将棋では厳しいと感じた」
会見で羽生新王位が述べられた言葉だが、これはまさしく実感ではないだろうか。
事実、最近の羽生将棋は玉をしっかりと固める「負けない将棋」を意識されているような印象がある。
今回の最終局も“金銀4枚”の穴熊に“飛車香”まで引っ付く、まるで「要塞」のような堅さだった。
それにしても、まだまだ「羽生健在」を思い知らされた今回の王位戦。
これはいよいよ、現在進行中の渡辺竜王との「王座戦」も目が離せなくなった。
まだまだ「羽生」は、思わぬところに潜んでいるのである。
[6回]
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