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「上京物語 最終章」

「ハチワンダイバー」という漫画がある。

無念にも奨励会を退会となった主人公が、「鬼将会」なる悪組織と将棋で戦うというストーリーだが、
その登場人物の中に、表ではアキバでメイドをしている女真剣師が登場する。

そう、この人物こそ「千駄ヶ谷の受け師」と異名をとる“木村一基八段”の前身、「アキバの受け師」“中静そよ”である。

筆者がアキバを訪れたもう一つの目的は、この「中静そよ」を将棋で倒す事にあった。

とは言え、これは漫画のキャラクターのため、当然ながら実在する人物ではない。
しかし、何かしらソレを捩ったような“メイド喫茶”でもあるのではないかと、筆者は安易に高をくくっていた。


ところで、筆者は「メイド喫茶」に行くのも初めての経験である。
以前から認識はあっても、わざわざ行こうと思うほどの興味は持っていなかった。

アキバの街中では、メイド達による激しい客引き合戦が繰り広げられている。
その裏通りでは、おそらく筆者と同じ境遇であろう4~5人の男が、なにやら躊躇しながら入るお店を相談している光景も見られた。

このあたり、筆者には“躊躇”というような感覚は存在しない。

こちとら、将棋の「道場破り」のような心境である。
ただただ将棋が強いメイドを倒し、鼻を明かしてやる事だけが目的だった。

しかし、訊けど歩けど、なかなかそのような店は見つからない。

いい加減疲れてきたところに、ふと、あるメイドが声を掛けてきた。

これが、なかなかの美形である。
筆者が即断し、“イザ突撃!”と相成ったのは想像に容易い事だった(笑)


「お帰りなさいませ、ご主人様」

それは、以前からメディアなどでもよく聞かれた御馴染みの光景だった。
メイドにおしぼりで手を拭かれながら、初めてなのでシステムの説明などを受ける。

「何の事はない、単なる夜のスナックの“喫茶店版”ではないか」

単純にそう感じた筆者は、途端に激しい“帰りたい”ムードに襲われる。
しかし、システムではメイドと何かゲームをすることが可能らしい。

「よし、これだ!」

筆者は早速、「将棋をやろう」と持ちかけた。

ところが、その店には将棋の盤駒も無いばかりか、ナント店内のメイドは誰も将棋を知らないと言う。
今でこそ「どうぶつしょうぎ」でもあれば十分楽しめるが、当時の筆者はその認識も薄く、もはや完全にお手上げである。

しかし、「アキバで“中静そよ”と将棋を指す!」と意気込んでいた筆者は、タダでは帰れない。

仕方が無いので、携帯していた「布盤」を取り出し、オセロの駒で「ハサミ将棋」を教える事にした。



写真はその時の局面。

メイドは撮影禁止なので、手だけが映るというなんとも悲しい一枚。
もはや、対局結果などはドーデモイイ事である。

早々に店を後にした筆者は、そのまま空港へと向かう事に。
もう、この先おそらく「アキバ」に来る事はないだろう。

今回の上京の締めくくりに痛恨の「敗着」をおかしてしまった筆者は、途方に暮れながら帰路の機内の窓下に映る大都会の夜景を眺めていた。

「平凡は妙手に勝る」

筆者は、また来春の上京が既に内定している。
次回は「平凡な将棋行脚」を楽しみたいと思います。

以上、「上京物語」おしまい。

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