筆者のHNは「歩兵」である。
「歩兵」は将棋駒の中で一番安い駒だが一番重要な駒とも言えよう。
「歩の無い将棋は負け将棋」とはあまりにも有名な格言だが、
まさしく「一歩千金」と言われる所以である。
「歩兵」は個人的に最も好きな駒であり、特に「水無瀬」の歩兵が一番好みだ。
もちろん「錦旗」や「菱湖」「清安(系)」などの歩兵も魅力的なのだが、
筆者が一番古くから親しんできた駒書体なので、その愛着が深いせいだろうか。
ただ同じ書体であっても、作者によってその書体の表情が異なるのも当然だ。
写真は古い駒だが、作風やバランス性などまさしく筆者好みの完璧な「歩兵」である。
もうひとつ、「水無瀬」の歩兵が好きな理由は「と金」にある。
俗に「マムシのと金」と言われるように、下記写真の「と金」の表情は、
いかにもマムシが鎌首をもたげてトグロを巻いているような姿に見えないだろうか?
コイツが2~3匹の群れになり、自陣の中をジリジリ迫ってくる姿は全くタチが悪い。
この嫌味は、将棋を指される方なら1度や2度は必ず経験があるハズである。
将棋駒の原点は、元々「戦人」や「戦物」をイメージして創られたモノだ。
駒師の方々は駒を製作される際、上記のような「疑似的」観点も考慮して、
書体のアレンジを試みてみるのも大変面白い?のではないだろうか(笑)
[8回]
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