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「赤柾」

駒木地の中で、個人的に好きなのは「柾目」である。
普段から使用する事に重きを置いている為か、
視覚的にもこのスッキリとした清涼感が、なんとも心地良い。
しかし、人間ワガママなもので、いつも同じ光景では飽きがくる事もある。
そんな時は駒を替え、虎斑や根杢系木地の駒で楽しむ事もあるが、
2~3日でスグにまた柾目木地へと戻ってしまう。



写真は素晴らしい柾目木地。
その中でも、いわゆる「赤柾」と呼ばれる木地である。

若干荒目気味とも言えるが、その分自然味があり、その年輪はクッキリとしていて、
専門家によれば近年では中々お目にかかれない木地との事。
柾目木地は、あまり目詰まりが細かくなり過ぎては、
逆に味気が無くなるものでもある。

コレクターの中では、その各書体に於いて
「錦旗に始まり、錦旗に終わる」
という言葉があるが、個人的に、木地では
「柾目(板目)に始まり、赤柾に終わる」
という言葉が成り立つのではないかと思っている。

ただし、この「赤柾」も、あまりにも素晴らし過ぎると
「斑・杢系」と同じくうっとり魅入ってしまい、棋譜には集中出来ない。
本当に対局が面白い局面になったり、面白い棋譜を並べて熱中している時、
人は木地など目にも入らないものである。

盤・駒などのコレクターは、ほとんどの場合、
将棋への情熱(愛情)から棋具へと発展していく過程ではないかと思うが、
あまり気持ちが過ぎると本末転倒!!
道具に魅せられ、棋力向上の妨げになってしまう!(独断と偏見?)

将棋を愛し、これからも更なる棋力向上を望まれている方々へ・・・。
盤・駒は、気持ちを引き締める程度の高級品にしておいた方が無難です(笑)

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「作法 2」

将棋の作法のひとつに、手番を決める「振り駒」がある。

対局前に、記録係などが掌の中で「ガチャガチャ」と激しく振り混ぜる所作があるのだが、
いかにも駒にアタリキズがたくさん付いてしまいそうで、未だにどうにも好きになれない。
さらに、対局者が命を吹き込むかの如く一度並べ終えた状態から駒を拝借し、
終わればまたバラで戻すと言うのにも違和感を感じてしまう。

「振り駒」は、タイトル戦の緒戦や手番直りの最終局でも当然行われているが、
その駒が愛棋家などからの貸与品である場合も多い。
新品も多く提供されていると思うが、この作法では、
所有者はハラハラしないものなのだろうか?

中には、「それも含めて名誉の勲章」と捉え、
「作法である以上仕方ない」と考える方もおられるだろう。
そのように素直に思えない自分は、たとえ機会があっても
「使って頂く資格」がないのかも知れない。

それから、この「振り駒」には両対局者の所作は無く、
ある意味「他人まかせ」という面もある。

例えば囲碁の場合、手番決めは「ニギリ」と言い、
上位者がニギった石数を下位者が奇数か偶数かを当てて決める。
その際、双方の意思表示が所作として存在し、結果は「自己責任」と言えなくもない。
麻雀にしても、場を決める場合、「東西南北」を「ツカミ」で行う場合や、
任意の数牌と混ぜて開く場合など、各人の所作が「自己責任」として存在する。
そしてそれら全てには、並べた駒を崩すような無駄な所作も存在しない。

将棋にも無駄なく「自己責任」のある、何か新しい手番決め作法が登場しないものだろうか?

そこで、以前より個人的に考えていた手番決めを紹介してみたい。

まず対局開始前、駒袋から上位者が任意の駒1枚を選出する。
そして下位者も任意の駒を1枚選び、盤上に表示するというものである。

駒には表裏があるので、下位者が上位者と表裏が合えば勝ち(先手)、負ければ後手。
駒は「歩兵」などと決めていても良いし、上位者の1枚は隠し駒や振り駒でも良い。
囲碁と麻雀を合体させたような作法で、これなら駒がキズ付く事もないし、
お互いの所作も存在する。結果も「自己責任」である。

名して「決め駒」!!!

あるいは「当て駒」「合わせ駒」なんてのもいいかしら?
是非、皆様のご意見もお聞かせ下さい!(笑)

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「作法」

あるサイトにて、駒箱・駒台の作法についての記述を拝読した。

対局で駒箱を開けて駒袋を取り出す際、駒箱の上蓋をひっくり返し、仰向けに置く棋士もいる。
しかし高級な駒箱などは、職人の製作意図として、もっとも木目や木肌の美しい部位を天板に使用している場合が多い。

仰向けに置いてしまっては、その天板の美しさを隠してしまうばかりか、長年の使用の擦れなどで天板にキズが入ってしまうおそれがある。
その為、駒箱の上蓋はひっくり返さずに伏せて置く事が正しい作法だと言う。

「なるほど!」と、ふと、日頃の自分の作法を顧みた。
ほとんどの場合、ひっくり返さずに伏せて置いている。あ~よかった!(笑)

続いて、駒台の作法について。

一般に盤の木目は、柾目・板目を問わず上下方向に木目が走っている。
その両脇に駒台を設置する際、天板が柾目の駒台なら自然に盤の柾目に沿って合わせがちだが、「斑」や「杢」の入る天板の場合、これには感美的な個人差も出て、統一の作法として定着させるのは難しいのではないかと思う。

「斑」は、通常木目に対して横方向に入るもので、その強弱の差もあり、「杢」は、その「不均等な斑」とでも言うのだろうか、「玉杢」や「孔雀杢」など様々な種類の美しい木肌をみせる。

木目よりも「斑」や「杢」の方が強い場合もあり、盤に合わせる際、木目を基準にするか否かは個人の感覚(センス)によるものになるのではないだろうか?



写真は、駒台・駒箱を自分流にて設置したところ。

師職人が唱える作法では、この向きで正しいのかどうかは分からないが、この駒台は気分によって上下を180度逆さまにするくらいはよくしている。
90度向きを変える事はほとんど無い。

ちなみに、駒箱の「カマエ」は横向きで、盤上の升目中央9升に納めるのが美しい。

確かに、個人的にも対局中継などを観ていて、双方の駒台の向きがチグハグになっていたりすると、何とも景観に耐えないものがある。
しかし、「材」に造詣の深い者なら、そのように一番美しい景観を求めるものだろうが、当の対局者たちは目の前の勝負の方が大事で、駒箱の天板の美しさや駒台の方向などは、気にも留めない「ドウデモイイ」事なのではないだろうか?

仮に、対局前に関係者によって正しく設置されていたとしても、時には対局者自身が「ゲン直し」とばかりに、ワザと駒台の向きを変える事もあるのかも知れない。
アマチュアでも全国区などの強豪は、案外道具には頓着がない傾向にあり、ましてプロ棋士でも、多くの方は必ずしも高級な棋具ばかりは所有されていない。

このあたり、棋具に於いてはアマチュアの方が知識や造詣に深く、数多くの高級棋具を所有されている方が多いのも事実である。
冒頭にて、偶然自分の駒箱作法が正しかったのも、単に自分が「銘木好き」だから、自然に出来ていた所作に他ならないと思っている。

ところで、かの大山(十五世名人)先生は、「良い道具を持てば、将棋を大事にする心が芽生え、将棋も強くなる」と唱えられていた。

しかし、これには含説もあるようで、実際のところ「所有する棋具(の質)と、将棋の棋力は反比例する」という説の方が的を得ているような気がするのは、果たして自分だけだろうか?

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「盤」


日向榧天地柾極上盤。

日向産で、これほどまで総アテのきいた天地柾は他に類を見ない。
天面も、均等で真っ直ぐなキレイな柾目の、正に完全無欠!!
30~40年前に伐採された原木から製作された、素晴らしい極上盤である。
駒台も名人指物師作の極上品。楓杢に拭き漆仕上げの素晴らしい作品だ。

盤厚は六寸二分ほどで、
近年のタイトル戦には、概ね七寸盤クラスが使用されている事を考慮すると
若干物足りないと思われがちだが、標準的な日本人体型が対局をするには
実際、これくらいの高さが丁度良いものである。

実は以前、光栄にもこの盤にて対局させて頂く機会を得た。
駒はなんと、あの羽生先生もタイトル戦で使用した盛上げ駒である。

盤前に正座し、目を閉じて、静かに呼吸を整える。
均整のとれた、駒のうっすらとした虎斑模様が、赤味の効いた盤上の素直な柾目と調和し、
何とも感動的な景観である。
指を出し、駒をつまんで、スッっと駒頭から盤上に軽く押さえるように指すと、
「パチッ」っと小気味良い音が鳴る。
まるで「堅さ」を感じさせない盤上への駒の着地感は、
さすがは「絹の指し味」と言ったところか。
美しい奥様に出して頂いたお茶菓子に舌鼓しながら、気分はすっかり「タイトル戦」てな感じで
考慮中、ふと、今日はジーンズをはいていた自分に気付く。

「ああ、せめてスーツで来ればよかったなぁ・・。」

とは言え、その後も盤・駒の魅力に陶酔しながら、一手一手の指し心地を楽しむ。

「ああ、この飛車で、羽生先生があの一手を指したのか・・。」
「あの局面で、この角をグリグリっと打ち付けたんだなぁ・・・。」

・・などと考えながらの対局結果は、見事な敗局であった事は言うまでもない。。。

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「脚」

「勝負に口無し!」という事で、
囲碁・将棋盤の「脚」は「クチナシの実」(写真)を模ったデザインになっている。



この「脚」作りは現在では機械彫りが主流となり、職人の手彫りによる「脚」は、
結構な手間や高い技術を要するため近年では非常に稀少なモノになった。

もちろん手彫りなら何でも良いわけではなく、熟練の盤師(職人)が作る「脚」には、
職人によって様々な考え方や拘りがあり、盤の種類や盤厚などにより
その大きさや形状・高さなどの調和を考えて成形されていて、
大変に奥の深いモノでもある。

下の写真は日向榧柾目材の赤味の強い大変木味の良い「脚」
「脚」の好みも人それぞれだが、個人的には、この彫りが深く剣先や山も鋭く尖り、
且つふっくらとした立体感が大変魅力的で好きな「脚」である。
女体ではないが、この細い「クビレ」も立体的な調和がとれていて何とも美しい。
尚、ホゾにより「脚」を指し込む際「オオイレ」を彫る盤師もいるが、
全ての「脚」の面を盤裏にキレイに密着させるのも容易ではなく
一種のゴマカシと言う説もある。
やはり写真の様に、ピッタリ盤裏にスキマ無く密着させてあるのも、
高度な「指物」技術であると言えよう。


(携帯カメラにて撮影)

「脚」作りは、荒彫りした榧材を純水に浸け刃物の入りを良くしてから、
様々な工具を用いて入念に削っていく。
良質の榧材は油分が多く、水に浸しても表面のみで内部まで水が浸透していくことは無い。
正に「槇万年、榧限り無し」といわれる所以である。

そして「脚」にとって一番重要な工程が「磨き」だ。
これを手抜くと、完成後ロウ引きした後に刃物キズが目立ってしまい、一偏に興ざめしてしまう。
しかし磨きには辛抱強い根気も必要で、先述した「クビレ」などが深いほど
その苦労は正に骨を折るものがある。

そうした職人による様々な苦労?により完成された手彫りの「脚」。
一般的には盤本体の木目や木肌に多く注目しがちだが、それを支える力強い「彫刻!」
ご自身の盤をあらためて見直してみるのも、大変趣があって良いのではないだろうか。

ところで、この「脚」にとっての意外な天敵は実は「掃除機」
掃除中、勢い余って「ガツン!」なんて事のない様に十分気をつけられたし(笑)

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【自己紹介】
将棋盤・駒・棋具に精通?
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