将棋の作法のひとつに、手番を決める「振り駒」がある。
対局前に、記録係などが掌の中で「ガチャガチャ」と激しく振り混ぜる所作があるのだが、
いかにも駒にアタリキズがたくさん付いてしまいそうで、未だにどうにも好きになれない。
さらに、対局者が命を吹き込むかの如く一度並べ終えた状態から駒を拝借し、
終わればまたバラで戻すと言うのにも違和感を感じてしまう。
「振り駒」は、タイトル戦の緒戦や手番直りの最終局でも当然行われているが、
その駒が愛棋家などからの貸与品である場合も多い。
新品も多く提供されていると思うが、この作法では、
所有者はハラハラしないものなのだろうか?
中には、「それも含めて名誉の勲章」と捉え、
「作法である以上仕方ない」と考える方もおられるだろう。
そのように素直に思えない自分は、たとえ機会があっても
「使って頂く資格」がないのかも知れない。
それから、この「振り駒」には両対局者の所作は無く、
ある意味「他人まかせ」という面もある。
例えば囲碁の場合、手番決めは「ニギリ」と言い、
上位者がニギった石数を下位者が奇数か偶数かを当てて決める。
その際、双方の意思表示が所作として存在し、結果は「自己責任」と言えなくもない。
麻雀にしても、場を決める場合、「東西南北」を「ツカミ」で行う場合や、
任意の数牌と混ぜて開く場合など、各人の所作が「自己責任」として存在する。
そしてそれら全てには、並べた駒を崩すような無駄な所作も存在しない。
将棋にも無駄なく「自己責任」のある、何か新しい手番決め作法が登場しないものだろうか?
そこで、以前より個人的に考えていた手番決めを紹介してみたい。
まず対局開始前、駒袋から上位者が任意の駒1枚を選出する。
そして下位者も任意の駒を1枚選び、盤上に表示するというものである。
駒には表裏があるので、下位者が上位者と表裏が合えば勝ち(先手)、負ければ後手。
駒は「歩兵」などと決めていても良いし、上位者の1枚は隠し駒や振り駒でも良い。
囲碁と麻雀を合体させたような作法で、これなら駒がキズ付く事もないし、
お互いの所作も存在する。結果も「自己責任」である。
名して「決め駒」!!!
あるいは「当て駒」「合わせ駒」なんてのもいいかしら?
是非、皆様のご意見もお聞かせ下さい!(笑)
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