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「長禄」

駒には古来より沢山の書体が存在するが、
駒師の方々の様々な創意工夫のご尽力などにより、
現代では数多くの新書体も誕生している。
中でも、何とも形容し難い不思議な魅力を持っているのが「長禄」である。

昔、静山の「長禄」を拝見した事があるが、
その時も不思議な感覚(誘惑)に襲われた事を今でもよく覚えている。
おそらく自分が単なるコレクターだったなら、即購入していたかも知れない(笑)

一方で、この書体は「縁起書体」とも呼ばれ、
実際に自身でも写真の駒を初めて見た時に偶然出会った方々とは、
以来貴重な友人関係として良きお付き合いをさせて頂いており、
まさしく良縁を授けて頂いたものである。
この駒もその時の友人が入手されたので、
お陰でいつでも拝見する事が出来る。(これもご利益かな?)
いやはや、あの時静山買わなくて良かったです(笑)

ちなみに「長禄」と「長録」とがあるが、前者の方が歴史が古く元祖であると言う説と、
後者の方が「豊島字母帳」に記載されているので正しいと言う説がある。
そこで「禄」と「録」を辞書で調べてみたが、「禄」は昔で言う「お給金(給料)」の意であり、
「録」はご存知の通り現代常用語で「写す」「記録する」などの意だった。
個人的には「縁起駒」と呼ばれているからには
「禄」の方が趣に合っていて良いのではないか?と思っている。

ところで、この「長禄」駒で実際に将棋を指してみたら一体どんな感じなのだろうか?
「指し駒志向」の自分としては、以前より
「是非一度、この駒にて将棋を指してみたい!」と強く思っていた。

今度その友人宅を訪ねた際には、こっそり「布盤」と「お酒」でも持ってって、
真剣に嘆願してみようかと企んでいる。。。

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「アテ」

「日向榧」の最大の魅力は、岩盤質の土壌生育が為の鮮明な木目の美しさが
一番に挙げられるが、個人的には「アテ」も好きな要因である。
当然ながら盤材は天然木であり、人間の指紋と同じく世界に2つとない
それぞれの表情を持っている。
「アテ」はいわゆる「赤味」とも言え、特に木口の表情が均等で美しいものが好まれる。



写真の二面も極上の日向盤である。
向かって右の盤は「羽生×谷川」のタイトル戦にも登場した銘盤で、
先述の通り木口の表情などでご周知の方もおられるのではないだろうか?

以前掲載した「総赤味天地柾六寸二分盤」も素晴らしい盤だが、
この二面は「盤厚」や「脚」も含めて、より完成度の高い極上盤である。
※ちなみに後部箱の碁盤店製ではありません。

一般に将棋盤価格は、碁盤より約1.5倍安価である。
したがって盤師が良材を碁盤製作の方へ優先するのも当然で、
通常は碁盤サイズに満たない材が将棋盤に使用される。
しかし、良材で碁盤サイズの柾目取りは極めて至難の技であり、
将棋盤(小)サイズだからこそ良い木取りで完成する場合もある。
このあたり、将棋愛好者の我々は大変恵まれている境遇だと言えるだろう。

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「杢」



竹風師が盛上げ駒に使用する駒木地は、揃いも良く美しいものが多い。
しかしその師でも、プロ棋士の対局用として連盟などに納品される駒は、
おとなしい柾目系がメインであると言う。
以前から「個人的には柾目系の駒が好きだ」と唱えてきたが、
やはり使用目的の所有であるが為、この点、連盟との同一見解はうれしいものである。
写真の駒の曰ある話もあるが、
分かる方には分かる話なのでここでは割愛させて頂きます。


ところで先日、ある場所にてアマチュアの普及活動をされている方との談話の機会を得た。

「我々アマチュアの場合は、プロ棋士のように長時間にわたり指す事もないので、
模様の強い駒木地でも大した影響は無いです」
「かえって派手木地で指す方が、華があって楽しめるものですよ」

なるほど!と、思わず感心してしまった。

早速自宅に戻った後、普段あまり使用しない「杢木地」駒にて将棋を指してみる。

「う~む、たしかに美しい。。」
「盤上も華やかで、気合も入るなぁ。。」
「よし!今からもっとこの駒で指そう!」

しかしその夜、布団の中で棋譜を頭に思い返してみるが、イマイチ鮮明さに欠けている。
やっぱり慣れの問題もあるし、つい見惚れてしまうなど個人差もあるのだろうか。

「いやいや、歳のせいですよ」

と、実は駒に笑われていそうで悲しい、ある晩冬の出来事でした。。。

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「駒形」

薄い駒が好きだ。

前回も触れたが、現代駒の多くは一昔前と比べて駒形が大きく厚めに成形されている。
この駒形の好みには個人差もあり、プロ棋士でも
「厚めの駒の方が掴み易くて好きだ」と言われる方もいる。

しかし「指し心地」に重点を置いている自分としては、厚みのある木地だと
指した時の「指に感じる駒の着地感」に乏しく、何か物足りない野暮ったさを感じてしまう。
かと言って、加藤(一)先生のように毎度ゝゝ強く打ち付ける訳にもいかず、
適度に榧(盤)の弾力性を指に感じて楽しみながら指したいが為の独自のこだわりなのである。
ちなみに加藤(一)先生は、上下左右に駒が密集したピンポイントの升目にも
駒同士を接触させる事無く「ビシィィッ!」っと力強くピッタリ収められる。
あれはあれで、ひとつの卓越した「プロ技」であると言えよう。

薄い駒形の駒が盤上で並んでいる景色は、
低く、まるで駒が盤に貼りついているかのような一体感がある。
これが厚い駒形だと、悪く言えば「スゴロク」の駒を配置しているかのようにボッコリとしていて、
「盤に並んでいる」と言うより「盤に置いている」という感じがする。

反面、弱点は駒が掴みにくくなる事。
昔の櫛材を用いた「静山」の駒などは大変に薄く、
肌が乾燥する冬場では指が滑って余計に掴みにくい時もある。
「龍山」の駒などは、薄さに加えて、まるで「雛駒」のように非常に小振りな駒もあり、
これはもはや実用には完全に向かない駒である。

某・名駒師によると、
「昔はプロ棋士の先生でも、駒の大きさや厚さなどの詳細なこだわりを添えた注文があった」
と言う。
現在では、そのような細かい希望内容まで伝える注文者はいなくなったのだろう。
※自分だけかも知れません。。。駒師の方々ゴメンナサイ!(汗)




写真は、サラ木地との比較。
若干ではあるが、通常このくらいまで薄い駒へと成形して頂く。

それにしても、比べて分かるが「使われた駒」の味わい深くなんとも美しいことよ!
これこそまさに「用の美」であると言えるのではないだろうか。

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「愛用の将棋盤」

先日の「卓上盤」を、「碁盤」にもかかわらず欲しがったのには別の理由もある。

碁盤店に行った時、以前よりその卓上盤を「かなり良い木味の碁盤」とは思っていたのだが、
あらためてよく見てみると、柾目具合・アテ具合など
「これはトンデモナク素晴らしい盤ではないか!」と再認識させられた。

とっさに、「ああ、この盤・・・欲しい!」と感じる。
悪魔のささやきが、しばらく眠っていた心の奥の「榧欲扉」を静かに開きはじめた。。。

しかし、自分は囲碁はサッパリ分からない。
「第一、この盤は知人に頼まれて購入しに来たのではないか!」
「仮に自分が購入したとしても、死蔵させてしまうのでは囲碁ファンの方々にも申し訳ない。」
「それならば、以前のように将棋盤の升目に引き直してもらえば使えるではないか!」

そう、実は、日頃から自分が研究用として愛用している盤は、
元々は碁盤であったものを将棋盤に改良?したものなのである。

最近の駒は木地編重志向からなのか、
一昔前の駒形と比べて一回り大きくなってきている。
その為、現代の正規サイズの盤では、升目が妙に狭くて、
駒が窮屈に感じてしまう時がある。

そこで、いささか邪道ではあるが、
碁盤の天面を将棋の升目に引き直してもらった六寸二分盤を愛用している。

接ぎ盤だが、材は日向榧。
その良いとこ取りしたような合わせ方で、約30年程前に製作された盤である。
余白部分も広いため、盤側から駒がポロポロ落ちる事も無いし、
升目も任意的に若干広めにしてあるので現代の大型駒でも余裕をもって指せる。
何より穴熊や矢倉の時など、駒を升下からグイッと指し上げる感覚がなんとも気持ちが良い。



写真は、その盤にて友人との白熱した?一局。△9三同玉まで。
中盤で大失敗し必敗形だったが、お相手さんも終盤にミス、何とかこの形まで持ち込んだ。
ここから「最後のお願い!」とばかりの▲7一角の王手に対し、△8二香合が敗着。
以下、▲9四歩から即詰に討ち取り、何とか辛勝となった。
△8二香合では、△7一同金(銀)でも良いし、△8二桂合でも詰まなかった。(と思う)

きっとヘンテコな盤に困惑して感覚が狂ったのではないかと推測されるが、
実はそれも作戦なんですよ♪(ウソ)

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