作者や書体がゴチャ混ぜにされた駒。
一般的には、駒の扱いとして「タブー」とされている事だが、
愛棋家にとって、これは非常に容易い「神経衰弱」である。
しかし、さすが?の筆者も自分の駒以外では自信が無い。
実は先日、将棋大会終了後の会場に「香車」1枚の忘れ物があった。
大会主催者より、盤・駒バカである筆者に問い合わせがあったのだが、
メールで送られた写真を拝見すると、第一感は「菱湖」である。
しかし、無骨な駒形や書体の表情など、その雰囲気は「機械彫り」で、
通常の見慣れた盛上げ駒などの書体とは、少し異なる点もあった。
「王(玉)将」や「歩兵」ならまだしも、「香車」とは盲点である。
機械彫りなら「あるいは別書体かも知れない」と、一抹の不安が過ぎり、
その場では断言せず、自宅に戻ってから再確認するという失態を演じてしまう。
結局は、第一感どおり「菱湖」だったのだが、なんともお粗末な話だった。
駒作家ならいざ知らず、日常から駒を使って楽しんでいるだけの者にとって、
やはり他人の駒ではその愛着も違うせいか、イマイチ自信が持てないものである。
いやはや、大変に良い勉強をさせて頂きました。
無事に持ち主の手元に戻る事を、心よりお祈りいたします。。。
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