先日、知人より「本格的に囲碁を始めたい」との相談を受けた。
「ついては脚付き碁盤を購入したいので、品選びをして欲しい」との事。
お任せください!そういう事なら、自分の最も得意とする分野です!!(笑)
「将来の事や後々のランクアップ欲を考慮すると、
初購入でも盤は「一生モノ」として本榧材の方が良いですよ」
「ただし、脚付き盤の良いものは非常に高額なので、
まずは将来に渡って必ず?ムダにはならない「卓上盤」の購入をオススメします!」
と、お答えさせて頂いた。
しかし、その知人は「やっぱり材質を下げてでも、脚付き盤(三~四寸)が欲しい」と言う。
確かに、使用環境や囲碁への熱意の程度によっては、
わざわざ高額な柾目盤や本榧材にこだわる必要は無い。
ただ、その知人も自他共に認めるかなりの凝り性で、そんな方が一旦コトにハマれば、
後で必ず、廉価品を購入してしまった事を悔やむ時が来るのも事実である。
個人差もあるので自分の考えを押し付ける気は毛頭ないが、
過去の自分の経験からそのように説明すると、
「それでは、オススメの盤を一任します」との言葉を頂いた。
早速後日、碁盤店に出向き、かねてより在庫を把握していた
お目当ての「卓上碁盤」を検分する。
ところが、碁盤なので今まで詳細には見ていなかったが、
あらためてよく見ると、トンデモナイ極上盤だった。
写真がその日向榧二寸盤。
良材の二枚接ぎで全くの無傷。しかも献上箱付き。
「知人の為」と交渉すると、更になんと!欅特大の碁笥までサービスして頂いた!
価格は非公開とさせて頂くが、当方古縁の碁盤店で大奮発して頂き、深く感謝致します!!
しかし、これ程の極上盤・・・。
「いくら『一生モノ』とは言え、初購入にしては上等過ぎではないだろうか・・?」
「この盤を紹介する相手としては、いささか不適切だったのではないだろうか・・?」
「もしかしたら上等過ぎて、やっぱり普通の脚付き盤が良いと断られるかも知れないな?」
「その時は、仕方ないから自分が買おう♪」(何故か顔はニヤニヤしてくる)
後日、そんな無礼かつ秘めたる願望を抱きつつ納品するも、
当然気に入らない訳は無く、知人は大喜び!
「素晴らし過ぎる!」「相談して正解でした!」とまで言われて、思わず苦笑い。
「将来、脚付き盤を購入する際、よろしければこの盤は当方にて下取りしますので、
是非ご相談くださいね・・・。」
このように伝え、何故か寂しげに帰路へついた、まだまだ寒い冬の夕暮れでした。。。
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