駒には古来より沢山の書体が存在するが、
駒師の方々の様々な創意工夫のご尽力などにより、
現代では数多くの新書体も誕生している。
中でも、何とも形容し難い不思議な魅力を持っているのが「長禄」である。
昔、静山の「長禄」を拝見した事があるが、
その時も不思議な感覚(誘惑)に襲われた事を今でもよく覚えている。
おそらく自分が単なるコレクターだったなら、即購入していたかも知れない(笑)
一方で、この書体は「縁起書体」とも呼ばれ、
実際に自身でも写真の駒を初めて見た時に偶然出会った方々とは、
以来貴重な友人関係として良きお付き合いをさせて頂いており、
まさしく良縁を授けて頂いたものである。
この駒もその時の友人が入手されたので、
お陰でいつでも拝見する事が出来る。(これもご利益かな?)
いやはや、あの時静山買わなくて良かったです(笑)
ちなみに「長禄」と「長録」とがあるが、前者の方が歴史が古く元祖であると言う説と、
後者の方が「豊島字母帳」に記載されているので正しいと言う説がある。
そこで「禄」と「録」を辞書で調べてみたが、「禄」は昔で言う「お給金(給料)」の意であり、
「録」はご存知の通り現代常用語で「写す」「記録する」などの意だった。
個人的には「縁起駒」と呼ばれているからには
「禄」の方が趣に合っていて良いのではないか?と思っている。
ところで、この「長禄」駒で実際に将棋を指してみたら一体どんな感じなのだろうか?
「指し駒志向」の自分としては、以前より
「是非一度、この駒にて将棋を指してみたい!」と強く思っていた。
今度その友人宅を訪ねた際には、こっそり「布盤」と「お酒」でも持ってって、
真剣に嘆願してみようかと企んでいる。。。

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