「日向榧」の最大の魅力は、岩盤質の土壌生育が為の鮮明な木目の美しさが
一番に挙げられるが、個人的には「アテ」も好きな要因である。
当然ながら盤材は天然木であり、人間の指紋と同じく世界に2つとない
それぞれの表情を持っている。
「アテ」はいわゆる「赤味」とも言え、特に木口の表情が均等で美しいものが好まれる。
写真の二面も極上の日向盤である。
向かって右の盤は「羽生×谷川」のタイトル戦にも登場した銘盤で、
先述の通り木口の表情などでご周知の方もおられるのではないだろうか?
以前掲載した「総赤味天地柾六寸二分盤」も素晴らしい盤だが、
この二面は「盤厚」や「脚」も含めて、より完成度の高い極上盤である。
※ちなみに後部箱の碁盤店製ではありません。
一般に将棋盤価格は、碁盤より約1.5倍安価である。
したがって盤師が良材を碁盤製作の方へ優先するのも当然で、
通常は碁盤サイズに満たない材が将棋盤に使用される。
しかし、良材で碁盤サイズの柾目取りは極めて至難の技であり、
将棋盤(小)サイズだからこそ良い木取りで完成する場合もある。
このあたり、将棋愛好者の我々は大変恵まれている境遇だと言えるだろう。
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