遠い遠い昔、我が家系のご先祖様は「鍛冶職人」だったと聞く。
しかし、年代的にも当時の鍛冶屋は「人を殺める道具を作る者」として、
あまり評判の良い仕事とはされていなかったそうである。
その後の明治初期~末期頃だろうか、今度は「欄間(らんま)職人」となり、
一家は細々と生計を立てていたと言う。
実際、昭和中期に本家の古家を増改築した際、納屋の奥などから、
変わった形のノミやカンナなどが多数出てきたそうだ。
筆者にも、その家系的には「職人」の血が流れている。
自身の職人好きな性格や意外な器用さ?は、この血筋によるもの?かもしれないが、
残念ながら現在、我が家系には「職人」と呼べる人物はいない。
日本の高度成長に伴い様々な分野の機械化も進み、やむない職人達は技術を捨て、
会社勤めのサラリーマンへと転化していってしまったのだろうか。
現在「職人」の世界では、どの分野でも後継者不足に頭を悩ませている。
後進を育てる行為を怠った先人の罪か、はたまた機械化に溺れた現代人の罪か。。。
かく言う筆者も機械化に溺れた現代人のひとりだが、写真のような盛上げ漆の
立体感や質感、柔らかな味わいなどは、いかに優れた現代の最新コンピューター
機器をもってしても決して表現する事は出来ない、人業ならではの技だと思っている。
[1回]
PR