横綱・白鵬が、ついに千代の富士の「53」連勝に並ぶ。
しかし、その大記録の達成を余所に、意外にも世間の反応は冷ややかだ。
「千代の富士の時とは、周りの環境が違う」
「所詮、外国人が達成したところで嬉しくもない」
「朝青龍がいれば、達成出来なかっただろう」etc・・・
これらの感想の数々には正直言って少々驚いたが、
やはり、大麻や野球賭博の傷跡が完全には癒えていない象徴なのだろうか。
そこで、筆者としての個人的な見解を少し述べさせて頂きたい。
まず「千代の富士との時代の相違」についてだが、当時は東西両横綱も在位し、
小錦などの超大型力士も活躍している環境でもあり、一理あるかもしれない。
ただし、「外国人批判」についてはイタダケナイ。
だらしないのは日本人力士である。
このような差別的な発言は、筆者の好みではない。
最後の「朝青龍との比較」では、白鵬は彼が引退するまで本割では7連勝中だった。
確かに白鵬の相撲は本筋で、その内容の面白さでは圧倒的に朝青龍に軍配が上がるだろう。
しかし、勝負の世界では「結果」こそ全てである。
「もし、朝青龍が真面目に相撲に取り組んでいたら・・」と言うのは、
「もし、升田先生が丈夫な体で酒に飲まれなかったら・・」という理論に等しい。
白鵬(大山)の実力と、朝青龍(升田)の人気。
それぞれの魅力は各人のスキズキだが、いずれにしても歴史に名を刻む事は大業である。
最近の白鵬の相撲は、むしろ以前のような野暮さも薄れ、筆者としては嫌いではない。
多衆から認められる事は、勝ち続ける事でしか得られない。
果たして、この連勝記録は一体どこまで伸ばされるのだろうか・・・。
筆者としては、静かに見守っていきたい心境である。
[5回]
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