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使い込まれた「駒」

将棋駒には主に「書駒」「彫駒」「彫埋駒」「盛上駒」とあるが、
どの駒が一番良いかはそれぞれの好みの問題であり、所有する目的も各人様々である。

最も高級とされているのが「盛上駒」だが、昨今の木地偏重時代では
必ずしもそう言い切れない事由もあり、「彫埋駒」以下にも
それぞれ使用する前提での良い点・悪い点がある。
以下の事項は、長年に渡り実際に使用してきて実感した個人的な見解である。

まず「盛上駒」は、文字が呼び名の通り盛り上がっている為、
新しいうちは駒の座りが悪く、必要以上に滑ったりして少し使いにくい事がある。
良いものは非常に高額だし、漆の磨耗や剥離も心配なところで、
激しい指し方など使用目的では、個人的な「向き不向き」がある駒と言えるかも知れない。
しかし、指につまんだ時の盛上げ文字の質感や、
光の反射による立体感などの視覚的な魅力も存分に楽しめる駒である。
高名な「盛上駒」職人の作品は、漆の盛りが全てに於いて均等で、
初めから駒のガタつきなどはほとんど無く、漆の耐久力も強く、
かつ滑らかな文字のラインや艶がとても美しい。

「彫埋駒」の場合は、特に磨きの良い駒などは盤に吸い付きすぎるキライがあり、
盤からの駒離れが悪く感じる事もある。 
ただし、これは指しキズだらけの盤面ではあまり影響が無いかも知れない。
反面指し心地は抜群で、何と言っても漆の磨耗を気にする事無く
豪快な指し方が楽しめるのが最大の利点だ。

「彫駒」は、やはり彫り字にホコリが入り込むのが仕方なく、
漆の光沢を楽しむのにも乏しい。
良い点は、比較的安価で購入出来、盛上げ技術とはまた違う
彫刻技術を楽しむ事が最大の魅力である。
「彫埋駒」と同様、「彫駒」はその彫刻技術が最も出来栄えに反映される駒で、
「駒作りの原点」と言っても過言ではないだろう。

「書駒」は、一見すると「盛上駒」のような質感も楽しめるものもあるが、
所詮は「書いてある」為に、盛りの均等さや漆の吸着性など、
「盛上駒」のそれとは実質的に異なる代物である。
当然ながら、指す事への耐久性にも乏しいが、文字のかすれや表現性を楽しむ為の
どちらかと言えば鑑賞用としての駒に近いと思っている。

それぞれの駒にそれぞれの良さがあるが、個人的にはやはり「盛上駒」が好きである。
日頃より、実戦や研究などで指して使用しているタイプなので、何でも良いと思われがちだが、
やはり駒の質感や、視覚的なものも楽しみながら指したい気持ちがあるのも人情だ。
ちなみに「斑」や「杢」系の木地は、多少なら味の良いアクセントとして魅力もあるが、
あまりキツイと個人的に指し駒としては苦手である。
ただ、鑑賞用の美術品駒として捉えたい素晴らしい木地もあり、
これは「書」や「絵画」にも似た感動がある。

写真の駒は普段よく研究などで使用している駒。
かれこれ5~6年ほど使い込んでいるが、最も漆が磨耗しやすい龍や成銀でさえ、
この程度の減り具合。
ちょうど良い減り具合で駒の座りも良く、大変指しやすいお気に入りの駒だ。
もっとも指し方もおとなしい方で、盤面の指しキズもさほど激しくないから、
盤・駒にとっては、正に理想の使用者と言えるのではないだろうか?(笑)

さて、そこで問題です。
写真の駒の作者は誰でしょう?
正解者には写真の駒を・・・・・・・・ます!


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