「巻 菱湖」とは、幕末から明治にかけて活躍した偉大な書家である。
その巻師の書体を用いて駒字にアレンジされたのが「菱湖書」であり、
おそらく現在では、一番の人気書体ではないだろうか。
先日引退を表明された中原十六世名人も、この書体を好まれていたと聞く。
しかし自分は、「錦旗」や「水無瀬」の方が好きである。
別に「菱湖」がキライな訳ではないが、個人的に地味で大人しい感じの書体が好きな為で、
「菱湖」には少し、派手さや華やかさがあった方が似合っていると思うからだ。
その点、かの天才駒師・影水が、豊島字母より更に独自のアレンジを加え、
より華やかに完成させた菱湖書体は、まさに書体とベストマッチしており、
後の将棋駒ファンや駒師達に、尊大な遺産を残してくれたと言えるだろう。
写真の「巻菱湖書」は、ある歴史的な対局に使用された駒。
スグに「解かった!」と言う貴方は、かなりの将棋駒狂であると認定いたします(笑)
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