忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「盤」


日向榧天地柾極上盤。

日向産で、これほどまで総アテのきいた天地柾は他に類を見ない。
天面も、均等で真っ直ぐなキレイな柾目の、正に完全無欠!!
30~40年前に伐採された原木から製作された、素晴らしい極上盤である。
駒台も名人指物師作の極上品。楓杢に拭き漆仕上げの素晴らしい作品だ。

盤厚は六寸二分ほどで、
近年のタイトル戦には、概ね七寸盤クラスが使用されている事を考慮すると
若干物足りないと思われがちだが、標準的な日本人体型が対局をするには
実際、これくらいの高さが丁度良いものである。

実は以前、光栄にもこの盤にて対局させて頂く機会を得た。
駒はなんと、あの羽生先生もタイトル戦で使用した盛上げ駒である。

盤前に正座し、目を閉じて、静かに呼吸を整える。
均整のとれた、駒のうっすらとした虎斑模様が、赤味の効いた盤上の素直な柾目と調和し、
何とも感動的な景観である。
指を出し、駒をつまんで、スッっと駒頭から盤上に軽く押さえるように指すと、
「パチッ」っと小気味良い音が鳴る。
まるで「堅さ」を感じさせない盤上への駒の着地感は、
さすがは「絹の指し味」と言ったところか。
美しい奥様に出して頂いたお茶菓子に舌鼓しながら、気分はすっかり「タイトル戦」てな感じで
考慮中、ふと、今日はジーンズをはいていた自分に気付く。

「ああ、せめてスーツで来ればよかったなぁ・・。」

とは言え、その後も盤・駒の魅力に陶酔しながら、一手一手の指し心地を楽しむ。

「ああ、この飛車で、羽生先生があの一手を指したのか・・。」
「あの局面で、この角をグリグリっと打ち付けたんだなぁ・・・。」

・・などと考えながらの対局結果は、見事な敗局であった事は言うまでもない。。。

拍手[1回]

PR

ファン太郎(13)

今や大人気の「ファン太郎(13)」をご存知だろうか?

「外国から来た、ファン太郎~♪」(登場編)
「態度はデカいよ、ファン太郎~♪」(廊下編)←※これには大爆笑!

日本コカ・コーラ(株)商品「ファンタ」のCMで、なんとも強烈なキャラクターなのだが、
可愛らしさ?もあり、日頃あまりテレビは見ないのだが、今では自宅のPC壁紙は
「ファン太郎」である(笑)

「ファンタ」は、中高生を中心とするティーン世代からは、そのおいしさやポップな世界観から
熱烈に支持されている一方で、昨今のヘルシーブームの中、母親世代からは
炭酸飲料というだけでマイナスイメージを持たれがちだった。
しかし、本当のファンタは「合成着色料不使用」「ビタミンCたっぷり」「純水使用」と
良い面がたくさんある。

そこで「見た目や先入観で判断しないで!」「ファンタって本当はいいヤツなんだ!」
との思いを伝えるべく、一般的に思われているイメージと、実際の中身に
ギャップがあるCMキャラクターを求めて試行錯誤した結果、「横綱:朝青龍」が演じる、
モンゴルからきた留学生「ファン太郎」が誕生したとの事。
いやはや、日本コカ・コーラ(株)CM人選者のセンスには脱帽である。

反面、一方では、

「懸賞金で稼げなくなったので、CMで稼いでいる」
「もっと暴力反対や大麻撲滅のPRに出演しろ!」

などと多様なヤジもとんでいるようだが、
それにしてもよくこんな皮肉たっぷりのCM話を引き受けた朝青龍。
実は、ホントにいいヤツなのではないだろうか?(笑)

拍手[0回]

「脚」

「勝負に口無し!」という事で、
囲碁・将棋盤の「脚」は「クチナシの実」(写真)を模ったデザインになっている。



この「脚」作りは現在では機械彫りが主流となり、職人の手彫りによる「脚」は、
結構な手間や高い技術を要するため近年では非常に稀少なモノになった。

もちろん手彫りなら何でも良いわけではなく、熟練の盤師(職人)が作る「脚」には、
職人によって様々な考え方や拘りがあり、盤の種類や盤厚などにより
その大きさや形状・高さなどの調和を考えて成形されていて、
大変に奥の深いモノでもある。

下の写真は日向榧柾目材の赤味の強い大変木味の良い「脚」
「脚」の好みも人それぞれだが、個人的には、この彫りが深く剣先や山も鋭く尖り、
且つふっくらとした立体感が大変魅力的で好きな「脚」である。
女体ではないが、この細い「クビレ」も立体的な調和がとれていて何とも美しい。
尚、ホゾにより「脚」を指し込む際「オオイレ」を彫る盤師もいるが、
全ての「脚」の面を盤裏にキレイに密着させるのも容易ではなく
一種のゴマカシと言う説もある。
やはり写真の様に、ピッタリ盤裏にスキマ無く密着させてあるのも、
高度な「指物」技術であると言えよう。


(携帯カメラにて撮影)

「脚」作りは、荒彫りした榧材を純水に浸け刃物の入りを良くしてから、
様々な工具を用いて入念に削っていく。
良質の榧材は油分が多く、水に浸しても表面のみで内部まで水が浸透していくことは無い。
正に「槇万年、榧限り無し」といわれる所以である。

そして「脚」にとって一番重要な工程が「磨き」だ。
これを手抜くと、完成後ロウ引きした後に刃物キズが目立ってしまい、一偏に興ざめしてしまう。
しかし磨きには辛抱強い根気も必要で、先述した「クビレ」などが深いほど
その苦労は正に骨を折るものがある。

そうした職人による様々な苦労?により完成された手彫りの「脚」。
一般的には盤本体の木目や木肌に多く注目しがちだが、それを支える力強い「彫刻!」
ご自身の盤をあらためて見直してみるのも、大変趣があって良いのではないだろうか。

ところで、この「脚」にとっての意外な天敵は実は「掃除機」
掃除中、勢い余って「ガツン!」なんて事のない様に十分気をつけられたし(笑)

拍手[4回]

続・使い込まれた「駒」

写真は、前回の「龍」と同じ一組の中から「成銀」と「と金」。
もっとも減っている駒を選んでみたが、それでもコンナモノである。
まだまだ「彫埋め状態」には程遠い。

まあ、この駒ばかり使用している訳ではないが、七~八割方はお世話になっている。
これからも、どうぞ宜しくお願いします。




ところで、大相撲初場所は大盛り上がり。
誰もが「引退場所」だと思った朝青龍は、結果的には何と現在単独トップ!
今や完全に「八百長」は無い。毎日が本当のガチンコ勝負!
この男は一体何者なのだろう。一種の「天才」なのか?

いやいや、「天才とは努力」である。
人知れず稽古を積み重ねたのだろう。

本日の千秋楽直接対決が残っているので、優勝にはまだ気が早いが、
もはや、誰も「引退勧告」など宣告出来ないハズである。

いやはや、タイシタモノです。。。

拍手[1回]

使い込まれた「駒」

将棋駒には主に「書駒」「彫駒」「彫埋駒」「盛上駒」とあるが、
どの駒が一番良いかはそれぞれの好みの問題であり、所有する目的も各人様々である。

最も高級とされているのが「盛上駒」だが、昨今の木地偏重時代では
必ずしもそう言い切れない事由もあり、「彫埋駒」以下にも
それぞれ使用する前提での良い点・悪い点がある。
以下の事項は、長年に渡り実際に使用してきて実感した個人的な見解である。

まず「盛上駒」は、文字が呼び名の通り盛り上がっている為、
新しいうちは駒の座りが悪く、必要以上に滑ったりして少し使いにくい事がある。
良いものは非常に高額だし、漆の磨耗や剥離も心配なところで、
激しい指し方など使用目的では、個人的な「向き不向き」がある駒と言えるかも知れない。
しかし、指につまんだ時の盛上げ文字の質感や、
光の反射による立体感などの視覚的な魅力も存分に楽しめる駒である。
高名な「盛上駒」職人の作品は、漆の盛りが全てに於いて均等で、
初めから駒のガタつきなどはほとんど無く、漆の耐久力も強く、
かつ滑らかな文字のラインや艶がとても美しい。

「彫埋駒」の場合は、特に磨きの良い駒などは盤に吸い付きすぎるキライがあり、
盤からの駒離れが悪く感じる事もある。 
ただし、これは指しキズだらけの盤面ではあまり影響が無いかも知れない。
反面指し心地は抜群で、何と言っても漆の磨耗を気にする事無く
豪快な指し方が楽しめるのが最大の利点だ。

「彫駒」は、やはり彫り字にホコリが入り込むのが仕方なく、
漆の光沢を楽しむのにも乏しい。
良い点は、比較的安価で購入出来、盛上げ技術とはまた違う
彫刻技術を楽しむ事が最大の魅力である。
「彫埋駒」と同様、「彫駒」はその彫刻技術が最も出来栄えに反映される駒で、
「駒作りの原点」と言っても過言ではないだろう。

「書駒」は、一見すると「盛上駒」のような質感も楽しめるものもあるが、
所詮は「書いてある」為に、盛りの均等さや漆の吸着性など、
「盛上駒」のそれとは実質的に異なる代物である。
当然ながら、指す事への耐久性にも乏しいが、文字のかすれや表現性を楽しむ為の
どちらかと言えば鑑賞用としての駒に近いと思っている。

それぞれの駒にそれぞれの良さがあるが、個人的にはやはり「盛上駒」が好きである。
日頃より、実戦や研究などで指して使用しているタイプなので、何でも良いと思われがちだが、
やはり駒の質感や、視覚的なものも楽しみながら指したい気持ちがあるのも人情だ。
ちなみに「斑」や「杢」系の木地は、多少なら味の良いアクセントとして魅力もあるが、
あまりキツイと個人的に指し駒としては苦手である。
ただ、鑑賞用の美術品駒として捉えたい素晴らしい木地もあり、
これは「書」や「絵画」にも似た感動がある。

写真の駒は普段よく研究などで使用している駒。
かれこれ5~6年ほど使い込んでいるが、最も漆が磨耗しやすい龍や成銀でさえ、
この程度の減り具合。
ちょうど良い減り具合で駒の座りも良く、大変指しやすいお気に入りの駒だ。
もっとも指し方もおとなしい方で、盤面の指しキズもさほど激しくないから、
盤・駒にとっては、正に理想の使用者と言えるのではないだろうか?(笑)

さて、そこで問題です。
写真の駒の作者は誰でしょう?
正解者には写真の駒を・・・・・・・・ます!


拍手[5回]

カレンダー

10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

プロフィール

【管理人】
歩兵

【趣味】
将棋全般・カメラ・書道

【自己紹介】
将棋盤・駒・棋具に精通?
几帳面な性格?のO型。
愛機はD300(Nikon)


←☆管理人へメール☆

PR

最新コメント

[09/17 秋吉]
[09/16 hisanobu etou]
[09/05 まるちゃん]

最新トラックバック

ブログ内検索

※当サイトに掲載されている記事や 写真等の無断使用は禁止致します。

バーコード

アクセス解析

忍者アナライズ