某・料理屋のご主人が所蔵される、コレクター憧れの「影水」
文字の剣先など若干漆のカケも見られるが、ほとんど使用はされておらず、
状態としては大変良いものである。
作風からしても、影水全盛期の作品と推測されるだろう。
木地は赤木地で良いものだが、「木口取り」なのが残念なトコロ。
しかしこのあたりは、個人的なスキズキによるものと言えようか。
影水作品は、必ずしも全てが影水本人の仕事ではない駒もある。
写真の駒は、おそらく全てが影水の仕事であるのかもしれないが、
筆者所有の影水駒は、若干ではあるが彫埋めに沿った盛上げがなされていない部分もあり、
あるいはこの駒の彫りは、当時影水の彫りを担った事もあると言われる
「静山」の仕事だったのかもしれない。
今となっては確認する手立ては何も無いので、静山ファンの自分としては、
単に「そうであって欲しい!」と願い、勝手に思い込むだけである(笑)
夭折(ようせつ)の天才。。。
天才とは、その亡き後に偉業が評価される場合もある。
生前の影水駒は、決して特別に高価な駒ではなかったような話も聞く。
影水への加熱したその評価は、ある意味「無いものは欲しい」という
人間のエゴイズムが生んだ側面も持ち合わせているのかもしれない。
ちなみに、筆者の知人にも「ヨウセツの天才」がいる。
亡くなる訳でもなく、毎日元気に板金溶接(ようせつ)に励んでおられます!
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